ペットフォトグラファーの雨樹一期(あまきいちご)です。
イベントの撮影会などで飼い猫ちゃんやワンちゃんを撮影させていただくことがあるのですが、普段も我が家の猫ちゃんを撮ったり、外猫ちゃんを撮りにいくことがあります。

我が家にはいま一匹の猫がいます。6年ほど前は三匹だったんですけどね。病気で亡くなりました。
写真もたくさん撮ったので、形としてもたくさん残っていますが、もっと上手に撮っておけば良かったと思っています。
やっぱり一枚でもたくさん残しておきたいんですよね。
それが仕事としてもペットを撮るようになったきっかけです。

かつての肩書きはプロ・トイカメラマンだったんですけどね。
トイカメラでの撮影よりも、いまはペット撮影が中心。分かりやすいし、ひとまず「ペット専門の写真家」に。

前置きが長くなりましたが、このコラムでは「猫をかわいく撮るテクニック」をたくさんご紹介していきます。よろしくお願いします。

【猫をカメラに慣れさせる】

テクニックの前に、とっても大切なことが二点あります。その一つが “猫をカメラに慣れさせること” です。これさえ出来れば、というかこれが出来ないとかわいく撮るのも難しいです。とっても大切なことなのに、猫の撮り方の書籍などでもあまり紹介されてませんよね。

方法はいたって単純。自分の部屋に、リビングに、とにかく猫がよくいる場所に、カメラを転がしておくだけです。猫って掃除機やドライヤーみたいに音のなるものが苦手ですよね。
同様に得体の知れないものも苦手です。コンパクトデジタルカメラ(以下、コンデジ)ならまだしも、少しゴツイデジタル一眼がいきなり出てくると警戒されちゃいます。警戒されたらどうしてもかわいく撮れません。

猫の可愛さは自由で気ままなところ。そんな猫の日常を撮るためにも、カメラは片付けないで下さい。
ほんとはカメラって埃や湿気に気を付けないといけませんが、かわいい猫ちゃんを撮って未来に残しておくためです。常に目に触れる場所に出しておきましょう。

一度慣れてしまえばちゃんと保存しておき、撮るときに出しても大丈夫です。
僕は瞬発的に撮りたいのでずっと出したままです。プロとしてはダメなんでしょうけど、そう簡単には壊れません。

もっとも我が家にはフィルムカメラも含めると20台以上はあるので、自然と慣れちゃったかもしれません。
みんな警戒心はゼロです。

(ここまで慣れたら安心 笑)

【相思相愛が秘訣です!】

そして、猫を撮る時にもう一つ大切なこと。それは「猫を好き」という気持ちです。猫を嫌いな人は猫にも嫌われます。逆に好きなら寄ってきてくれます。
こんなこと書かずとも、我が家の猫だったら大好きに決まってますよね。

でも、好きだからって嫌がってるのに抱っこしたり、撮影したいからって無理やり服を着せたり、とにかく猫ちゃんの嫌がることはなるべくしないで下さいね。

かわいく撮るには、猫ちゃんから撮影者への愛情も大切ですよ。

【カメラはデジタル一眼がオススメ】

カメラはスマホよりもコンデジより、コンデジよりもデジタル一眼。さらにいいレンズなら尚いいですね。
僕が現在メインで使用しているのはフルサイズのデジタル一眼なので、10万円以上はしますが、この撮り方コラムに掲載する写真の8割は「Nikon」の「D40」というAPCS-Cの一眼レフ写真になると思います。10年以上前に販売されたカメラ。しかも安いレンズです。

中古だと1〜2万円で手に入ります。


今の機種とは性能や解像度はかなり劣りますが、それでもコンデジより綺麗ですし、ボケ味もあります。
いまさら「D40」を購入するのはオススメしませんが。

レンズは一眼レフのレンズセットなどで購入したものでも充分ですが、それに絞り値が小さい単焦点レンズなどがあればいいですね。
どこのメーカーも1本は安価で販売しています。
(絞りなどの説明については、また連載の中で説明していきます)

いまのスマホは性能もいいので充分キレイに撮れます。だけど、かわいい猫ちゃんのためにも思い切って一眼を購入するのもいいですね。
やっぱりスマホのカメラはスマホ内で見るから綺麗なんですよね。PCで大きく拡大して見るとやっぱり違います。

デジタル一眼のいいところは、ピントが合う速さも早く、シャッターを押した瞬間に撮影が出来るので、決定的瞬間も逃しません。レンズが交換できるので撮れる写真の幅も広がります。
専門的な用語が出てくるので少し難しくて、カメラも重たいですが、使いこなせばとっても面白いですよ。
猫ちゃんに限らず、子供や風景写真。まるでプロのような写真が撮れます。

宣伝になってすいませんが、当事務所ではマンツーマンの個人レッスンも実施しています。

【ペット撮影にオススメのカメラ】

2020年2月の時点でのおすすめは、「SONY α6600」です。型落ちでもいいと思います。
理由は動物の瞳にピントを合わせてくれるからです。僕の持っているカメラには搭載されていませんが、人もペットも瞳にピントを合わせるのが基本です。

それを勝手にやってくれる、ありがた〜い機能です。連射が早いのもオススメポイントですね。
α6600は本体だけで16万円とめっちゃ高いので、α6500でもいいと思います。それでもまだ高いのでα6400やα6300でもいいと思います。レンズも付いてきて、α6300は7万円ほど。
型が落ちるほど単純にオートフォーカスの速度が遅くなりますが、気になるレベルではないと思いますが、無難に6400くらいがいいですね。

α6300とα6400ですが、ネットショップではレンズとセットでの販売ばかりです。標準ズームレンズなので、使い勝手が良いからあっても困りませんが、このレンズだとあまり背景がボケません。
ボケるレンズも欲しいですよね。。
ざっくり説明すると、絞り値(F値)が小さい数字になるほど背景がボケます。F1.8のレンズは少し安いものが出ていますので、オススメを下記に掲載しておきますね。


この二つの違いは35mmと50mmの焦点距離です。35mmの方が広く写るので使いやすいです。
たとえばテーブルフォト(料理など)で使うとして、50mmだと席をたたないと料理全体が撮れませんが、35mmだと座ったまま撮影ができます。

スマホで写真を撮る時も、ピンチアウトすると拡大ってできますよね。被写体が大きくなりますが、撮れる範囲が狭くなります。
50mmはその状態です。

めちゃくちゃざっくりした説明ですが、35mmを購入していたら失敗はしません。だけど割高なので迷いどころですね(笑)。

では、次回からかわいく撮るテクニックを紹介していきます。お楽しみに。