ニャンでもない日が一番のたからもの
特別な日よりも、何もない日こそがいちばん愛おしい。
猫と暮らしていると、そう思う瞬間があります。
目が覚めたら隣で眠っていた、
着替えている時に目が合った、
ソファでTVを見ていたら膝の上に乗ってきた、
その時間は、いまは当たり前のようにあって、
静かに過ぎていくけれど、
いつか振り返ったとき、かけがえのない宝物になります。

写真の前に、言葉がありました
もともと僕は、詩を書いていました。
目には見えない感情や、
言葉にしづらい余韻を、
なんとか形にしたかった。
その延長線上に、写真がありました。
言葉では届かない想いを、
写真で届けることができるんじゃないかと思いました。
ただ綺麗な一枚ではなく、
そこに流れていた時間ごと残る写真を。
幸せの中に、少しの切なさが混ざっているような、
そんな感情ごと写し取れる写真を撮りたいと思うようになりました。

なぜ猫を撮影しているのか?
かわいいから、好きだから、というのももちろんですが、
それだけではありません。
猫はマイペースです。
甘えてくる瞬間もあれば、
するりと距離をとる瞬間もあります。
その気まぐれさの中に、
どうしようもない愛おしさがあります。
そして猫と暮らす時間は、
静かで、あたたかくて、
少しだけ儚いです。
気づかないうちに、季節が過ぎ、
気づかないうちに、年を重ねていく。
その「気づかないうちに」が、
いちばん残しておきたい時間でした。
僕が撮りたいのは、特別な記念日ではなく、
静かに過ぎていく、いつもの一日。
何も起きていないようで、
実はたくさんの愛が流れている時間です。
記録ではなく、記憶に触れる写真
僕は出来事を記録するためだけに、
シャッターを切っているわけではありません。
未来のある日、写真を見返したときに、
そのときの匂いや光、
その子の体温まで鮮やかに蘇るような。
こんな時もあったよねと、思わず微笑んでしまうような一枚。
そんな撮影を心がけています。
猫と暮らす日々は、
静かに過ぎていくからこそ、美しくて愛おしい。
そのニャンでもない時間を、形にするお手伝いができたら嬉しいです。

