オールドレンズ ポートレート ゴースト

こんにちは、ペットライフフォトグラファーの雨樹一期(あまきいちご)です。
僕の仕事としての撮影は主にデジタルがメインですが、フィルムやオールドレンズを愛するカメラマンでもあります。

上記は極端な作例ですが、やっぱりオールドレンズの描写は好きだなぁと。
ペット撮影は基本的にはデジタル一眼を使いますが、途中でオールドレンズに交換して撮ることがあるんですよね。その写真が一番気に入ったと喜んでいただけることもあります。

メインで使うデジタル用のレンズの1/10くらいの価格のオールドレンズです。ちょっと複雑な気持ちにもなりますが 笑。

 

このオールドレンズですが、ペット撮影に限らず人物撮影との相性も抜群なんです。
そこで今回は「オールドレンズで撮るポートレートの魅力」を解説。

数多くのオールドレンズを使った中から、ポートレート撮影におすすめ3選を作例と共にご紹介!

はい、まずは「そのオールドレンズとはなんぞや?」と。

そこからじっくり解説していきますね。

 

オールドレンズについて

オールドレンズ ポートレート

ちょっとオシャレな言い方をしているだけで、要するにフィルムカメラのレンズのことです。
フィルム一眼などにつけていたレンズを、デジタル(ミラーレス一眼)でも使えちゃうんですね。両親が昔使っていたフィルムカメラがあれば、そのレンズ使えちゃうんですね。

ウチの両親はカメラを持ってなかったので、僕は自分で買い揃えましたが。

条件は簡単。ミラーレス一眼にマウントアダプターを付ければ、オールドレンズを使っての撮影が可能となります。
マウントアダプターは上記の写真の平べったいやつです。

それをカメラとレンズで挟む形で使用します(カメラ+マウントアダプター+レンズ)。簡単でしょ。
少しややこしいのが、いろんなメーカーがレンズを出していた為、それに(マウントに)対応したアダプターが必須となります。
ニコンのFマウント専用のマウントアダプターには、他社のレンズを付けることは出来ません。
*メーカーに対応したマウントアダプターはおそらく全種類発売されているので、ほぼどのレンズも使うことが可能です。

ちなみに、マウントというのはカメラとレンズの接合部のことです。メーカーによって、その接合部の形が違うってことですね。
「我が社のカメラには我が社のレンズを!」ってことですが、そこで競わないでペットボトルの蓋みたいに統一していたら良かったのにな。その方がレンズ自体の販売台数は伸びていそうなのに。

はい、話が逸れましたが、いろんなメーカーのレンズを揃えると、その数だけマウントアダプターも必要となるということです。
ただ、マウントアダプター自体は2,000円ほどで手に入るので、あまり気にせずお気に入りのレンズを購入しても問題はありませんね。

オールドレンズで人物ポートレートを撮るという選択

オールドレンズ ポートレート

「ペット撮影にもいいんですよ!」と書きましたが、ポートレート撮影にもいいんですよね。
いまのデジタルって解像度重視。キレイだけどあえて悪く言うと描写はカリカリなんですね。
それがオールドレンズで撮ると、柔らかくて温かみのある描写になります。

難点はオートフォーカスがきかないこと。だからしっかりと自分でピントを合わせる必要があります。
でもだからこそ、被写体とじっくり向かい合うことができるんでよね。

オールドレンズが人物写真にもたらす3つの魅力

表情をやさしく包み込む描写

オールドレンズで人物を撮ると、表情の出方がとても穏やかになります。最新レンズのように、まつ毛一本一本までくっきり写る感じではありません。

その代わりに、肌の質感や表情のニュアンスを、ふわっと包み込むように写してくれます。

少しピントが甘いくらいでも不思議と「いい顔」に見えるんですね。
緊張している表情や、ふと気が抜けた瞬間も、そのまま受け止めてくれるような描写です。

節目としての記念ってバチっと撮ることを求められがちですが、そんなシャープさだけでなく「やさしさ」だって大切だと思っています。
そういう意味でオールドレンズは人を撮るのにとても相性がいいと感じています。

 

日常の空気感をそのまま残せる

オールドレンズで撮る写真には、その場の空気ごと写るような感覚があります。

光の当たっている部分が少しにじんだり、コントラストが控えめだったり。
完璧に整理された描写ではない分、その瞬間の温度や匂いまで一緒に残るような写真になります。

特別なポーズや演出をしなくても、
「ただそこにいる」だけで絵になるのは、オールドレンズならではだと。

家族写真やポートレートを撮るとき、「あのとき、こんな空気だったな」と思い出せる。
そんな写真を残したい人には、オールドレンズはとても向いていると思います。

完璧じゃないからこそ、記憶に残る

オールドレンズは、正直いうと扱いづらいです。ピントはシビアだし、フレアやゴーストも出る。
失敗写真も普通に量産されます。

でも、そのフレアやゴーストが、写真を記憶に残るものにしてくれます。

少しブレていたり、光が入りすぎていたり。
そういう写真ほど、あとから見返したときになぜか忘れられなかったりするんですよね。

完璧な一枚よりも、そのときの気持ちや関係性がにじんだ一枚。

オールドレンズは、「その人らしさを残す」ことに向いている魔法のレンズだと思っています。

ちなみに上記の写真はランキング外になりましたが、僕の中ではある意味「神レンズ」の「Industar-22 50mm F3.5(インダスター)」です。

 


それではここからはオススメレンズと作例のご紹介。以下、ミラーレス一眼で撮った人気のオールドレンズでの撮り比べです。

3本ご紹介しますので、オールドレンズ購入のご参考に、撮影のご依頼頂ける方は、「このレンズで撮って欲しい!」というのがあれば、お申し込みの際にでも一言いただければと思います。

 

 

ミラーレス一眼+オールドレンズで撮る人物ポートレート作例

ペンタックス スーパータクマー55mm F1.8|絶妙な緩さと虹色ゴースト

ゴースト ポートレート

オールドレンズといえば「PENTAX Super-Takumar 55mm F1.8」というくらい人気のレンズ。
1万円前後で手に入れることが出来るので、はじめての方にもおすすめしています。

魅力は品質がいまいちな部分(笑)。通称アトムレンズと言われているのですが、放射性物質を使用した光学ガラスで、実際に人体への影響こそありませんが、レンズが黄変しやすい問題があります。

このレンズの一番の特徴はやっぱり虹色のゴースト(フレア)ですね。
オールドレンズは逆光での撮影時にゴーストが出やすいのですが、「PENTAX Super Takumar 55mm f1.8」は虹色の輪っかが浮かび上がります。

*フレアというのは、レンズやボディのなかで光が反射して、ぼやけたり不必要な光の像が現れる現象のことで、特に虹色の輪っかや楕円の光をゴーストと呼びます

スーパータクマー

今の高性能レンズってこのゴーストが出にくい構造になっています。でも、この虹色輪っかステキじゃないですか?
だからついつい逆光で撮りたくなるんですよね。

オールドレンズって当時不得意だった部分が、いまの魅力(味)になっているんですね。
だけど、侮るなかれしっかりも撮れちゃいます。

1万円前後で購入が出来て、絞りの解放はF1.8です。これ1本でも充分活躍してくれますよ。

スーパータクマー ゴースト

もちろん、ポートレートだけではなく日常を撮るのにもオススメ。
そして、ついつい、被写体を虹の輪っかに閉じ込めたくなっちゃうレンズなんですよね。

ただ、ボケ味やゴーストでやや画面がうるさくなりがちなので、背景がスッキリしている場所が良いかな。

 

HELIOS-44-2 58mm F2(ヘリオス)|個性際立つ光の滲みとグルグルボケ

ヘリオス オールドレンズ

ヘリオスも人気のオールドレンズですね。「Super Takumar 55mm F1.8」と同じく安く手に入れることが出来ます。
個人的にはフィルムの描写に一番近いかなと。

特徴はぐるぐるのボケ。背景の玉ボケが回転していますよね。
これは好き嫌い分かれるかもしれませんが、オールドレンズらしさ、ですね。

オールドレンズの魅力

編集なしでも、雰囲気が抜群なんですよね。そして、適度なピントの甘さも好きだったりします。
鮮やかさは控えめかな。ノスタルジックよりな編集するとハマります。

「Super Takumar 55mm F1.8」同様で、ゴーストも盛大。

また、白いモヤッとが出ていますが、おそらくレンズのくもり。逆光で撮影すると現れます。

これは保存状態の悪かったものを僕が購入してしまっただけですが、調べて見ると同じ症状の方もいたので、「HELIOS-44-2 58mm F2」はくもりやすいレンズかもしれませんね。

「Super Takumar 55mm F1.8」はレンズが黄変しましたが、「HELIOS-44-2 58mm F2」は白いモヤモヤ。

まー個人的にはこれがある意味、幻想的で魅力的なんだけど(笑)、完璧を求める方にはオススメしにくいですね。
そもそも完璧がいい方にはオールドレンズは不向きかもしれませんが。

オールドレンズは絞り開放で撮るほど特徴が出やすいので、僕はガンガン開放で撮っています。

オールドレンズ エモい

鮮やかさは控えめと書きましたが、PhotoshopやLightroomの編集でどうとでもなるっちゃなりますよね(笑)。
逆に元が薄いほど編集はしやすいという点もあります。

鮮やかに撮れるレンズは魅力的かもしれませんが、ボケ味や解像度、ゴースト、単純になんとなく好きだという作例からレンズ選びするのも一つですね。

 

もちろんポートレートに限らず。いろんな日常のシーンでも使って頂けるレンズですよ。
絞り開放はF2ですが、F1.8と大きな差は感じません。

 

 

 

CONTAX カールツァイス プラナーT* 50mm F1.4 MMJ|とろけるボケと品のある写り

とろけるボケ

僕をオールドレンズの沼にハメたのは、この「CONTAX PlanarT* 50mm F1.4」です!
銘玉や神レンズとも言われていますね。カールツァイスのレンズの中では最もメジャーなレンズ。

まずはこの高い解像度と、とろけるようなボケに魅了されます。

表現が難しいですが、嫌味のないボケが魅力の一つです。50mmの開放F1.4ですからね。かなりボケてくれます。

そして、やや強めのコントラストに、色の乗りの良さも特徴です。
先ほど、「ヘリオスのレンズは色が薄いから編集しちゃえばいい!」と書きましたが、鮮やかに撮りたいなら「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」を使いますし、やっぱりそのレンズが持つポテンシャルは大切です。

明るめに撮るとふわっとするし、少し暗く撮ると鮮やかだし、編集でも化けるし、いろんな顔をもっていますね。

だから、ポートレートとしてではなく花を撮るのもオススメですね。

明暗差がある場所での、この深みは「Super Takumar 55mm F1.8」や「HELIOS-44-2 58mm F2」ではなかなか出せないですね。
とにかく撮るものが立体的になります。

オールドレンズは癖のあるレンズが多いのですが、このレンズはゴーストなども控えめ。
現代のレンズに劣らない、高性能なレンズなんですよね。

価格に関しては少しお高めで、5〜8万円くらい。 もともとオールドレンズは古いレンズなので、状態によって価格がかなり変動します。
そして、いまはオールドレンズの価値が上がってきているので、購入するのなら早め早めがいいですね。

この数年で倍くらいになったレンズやフィルムカメラはたくさんありますから。

ちなみに、僕は「Sony α7Ⅲ」にはSonyEマウントのミラーレス専用のレンズを、「Sony α7」でオールドレンズを楽しんでいますが、基本的にはこの「CONTAX Planar T* 50mm F1.4」を付けています。

ご家族やペットの撮影はたくさんしていますが、女性一人(モデルさん)をほぼ撮らないので、娘の写真オンパレードでオールドレンズの魅力をご紹介しました。

かなりモデル慣れはしている娘だと思いますが、ザ・ポージング的なのはあまりさせていません。
過去に有名なモデルさんを撮ったことがありますが、ポーズも自然でかわいいんですよね。「さー撮りなさい!」って、キメてない。
だけど、しっかりと絵になっている。

オールドレンズって自然である程いいです。ザ・ポージングを撮るならオールドレンズじゃなくていい。
オールドレンズで撮るのは、雑誌の表紙じゃなく思い出のアルバム、だと。

それにしても、今回こうやって違うレンズで並べてみましたが、「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」は別次元なくらいキレイです。
実際に撮ってみるとより分かりますね。

オールドレンズ 子供

そしてポートレートに慣れすぎた娘。肩をチラ見せしてきたので、怒りました。撮ったあとでだけど(笑)。
まったく、どこで覚えてくるのやら。

それでは、「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」について最後に一言。

あー、やっぱり君が大好きだーー!!

てことで、下記にてじっくり解説もしています。

 

 

 

まとめ|オールドレンズは「記録ではなく記憶」

オールドレンズ ポトレCONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJで撮影

オールドレンズの描写は緩くて完璧ではありません。記念として記録する写真には少し不向きかもしれませんが、記録に残る写真としては、家族撮影にも最適だなと思います。

ポートレート撮影でも他のカメラマンとはまた違った、自分らしさを表現できるのもオールドレンズの魅力です。

今回オールドレンズを3点ご紹介しました。どれもオススメです。焦点距離が標準の50mm付近なので使いやすいし、しっかりとボケます。

僕がこれまでに使ったことのあるレンズが30〜40種類。
コラム連載の仕事でお借りしたものがほとんどですが、その中でとりあえず持っていようと思ったのが、「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」と「Super Takumar 55mm F1.8」です。

7〜10万円くらいする「OLYMPUS ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2」は、高くってまだ購入出来ていません。
仕事で使う用のレンズを先に購入しちゃうんですよね。

「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」は、はじめて使った時から今までずっと好きなので、飽きることはないオールドレンズです。
ゴーストを楽しみたいのなら、「Super Takumar 55mm F1.8」「HELIOS-44-2 58mm F2」がいいですね。

「Super Takumar 55mm F1.8」はたまに使いたくなるし、「HELIOS-44-2 58mm F2」は久しぶりに使ってみて、また魅力を感じました。

もちろん他にもいいレンズはたくさんあります。ポートレート縛りなら中望遠の「Canon NEW FD 85mm F1.2 L」の描写も好きだし。いろいろ撮りたいなら標準レンズがオススメだし。
まー、オールドレンズは沼ですね。

オールドレンズ(写真)の個人レッスン

とはいえ、これからオールドレンズをはじめるとなると、マウントアダプターや使い方なども戸惑う場面も出てくるかと思います。
そんな時にはぜひ以下のサービスをご検討ください。

雨樹一期はフィルムカメラやオールドレンズのワークショップも開催予定です。関西の方なら、マンツーマンの個人レッスンも可能です。
遠方の方にはzoomレッスンも可能なので、ぜひお気軽にお問合せくださいね。

写真の個人レッスン

 

2026年は大阪や東京にてワークショップを開催する予定です。
日程は、SNSやホームページ内でも告知しますが、以下よりメールアドレスを登録していただければ、開催が決定した際に募集案内メールを送らせて頂きます。

また、LINE公式にて優先的に告知していきますので、友達登録いただけますと嬉しいです。

 

    【参考】これまでに使用したオールドレンズ一覧

    ・オリンパス OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8
    ・オリンパス OM-SYSTEM S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4
    ・オリンパス ZUIKO AUTO-W 35mm F2
    ・オリンパス G.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4
    ・オリンパス F.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8
    ・オリンパス ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2

    ・コンタックス カールツァイス ディスタゴン T* 25mm F2.8
    ・コンタックス カールツァイス プラナー T* 50mm F1.4
    ・コンタックス カールツァイス プラナー T* 85mm F1.4
    ・コンタックス カールツァイス ゾナー T* 135mm F2.8
    ・コンタックス カールツァイス プラナー T* 45mm F2 G
    ・コンタックス カールツァイスBiogon T* 28mm F2.8 G
    ・CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 90mm F2.8 G
    ・Carl Zeiss JENA electric MC FLEKTOGON 35mm F2.4
    ・Carl Zeiss JENA electric Pancolar 50mm F1.8
    ・Planar T* 80mm F2.8(Hasselblad)
    ・MakroPlanar CF 120mm F4 T*(Hasselblad)

    ・PENTAX Super takumar 50mm f1.4
    ・PENTAX Super takumar 55mm f1.8
    ・PENTAX SMC Takumar 35mm F2
    ・PENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5

    ・Nikon NIKKOR 28mm F2.8
    ・Nikon New NIKKOR 55mm F1.2
    ・Nikon Ai NIKKOR 50mm F1.8
    ・Nikon NIKKOR-S 5cm F2
    ・Nikkor-H 5cm F3.5(ブロニカ)
    ・Nikkor-P 75mm F2.8(ブロニカ)

    ・ミノルタ STF 135mm F2.8 [T4.5]
    ・ミノルタ AF 20mm F2.8
    ・ミノルタ AF 85mm F1.4

    ・富士フイルム フジノン55mm F2.2
    ・ゼニターMC M 16mm f2.8 フィッシュアイ
    ・HELIOS-44-2 58mm F2
    ・キヤノン NEW FD 50mm F1.4 
    ・キヤノン NEW FD 85mm F1.2 L
    ・ライカ エルマー 5cm F3.5
    ・ライカ ズミクロンM 5cm F2