猫の撮影は、思い通りにはいかないこともあります。
いや、というよりもこちらの思い通りにしようとすると、猫はすぐに気づきます。

今回は雑誌 ねこのきもち の撮影で、
・表紙撮影
・保定のプロの取材撮影

という2つの撮影がありました。

どちらも共通していたのは、「猫ファースト」という考え方です。

撮影をしながら、改めて多くのことを学ぶ時間になりました。

 

「ねこのきもち」表紙撮影の裏側


現在、ねこのきもちでは20周年を記念して「読者さんの猫ちゃんが表紙になる企画」を実施されています。
この企画が昨年の6月からスタート。
今回で僕は4度目の表紙撮影となりますが、どこかのスタジオで撮るわけではありません。

実際に読者さんのご自宅に伺って撮影をしています。

というのも、やっぱり猫は知らない場所が苦手。自宅が一番リラックスできるからです。

とはいえ、知らない人が来ると警戒するのもまた、猫ちゃんの特徴でもあります。

なので、伺ってみないと撮れるかどうか分かりません。ずっと隠れて出てこない可能性もあります。

個人的には猫に好かれる人間だと自負していており、これまでに猫の出張撮影で撮れなかったことはありませんが、やっぱり警戒しちゃう子がいるのも事実です。

だからこそ、怖がらないように、しずかーに伺います 笑。
抱っこして無理やり連れてきてを繰り返すような撮影もしていません。

 


今回の読者モデル「すうちゃん」も、伺った際にすぐにベッドの下に隠れちゃいました。
でもしばらくすると、のっそりと出てきて、僕の前を通って、またベッドの奥に入ったり、ケージに入ったり。

むちゃくちゃ警戒されてる感じでもなく、指を出すと鼻ツンもしてくれて。
でもしばらくはベッドの下やケージからは出てこないので、撮影時間はかかりました。

とはいえ、すうちゃん待ちを繰り返し、たくさんのかわいいショットを撮ることができました。
見返りすうちゃんもかわいかったんですが、最終的にはベッドから出てきた瞬間の写真が表紙に選ばれました。

この表情、たまりませんよね。かわいー。

 

 

猫の撮影は、「撮る」よりも 「待つ」時間の方が長いこともあります。
でも、その待った時間のあとにふっと自然な表情を見せてくれる瞬間があります。

それを逃さまいと、へたに連写すると、逆に逃しちゃうんですよね。

これまでの撮影経験、7匹の猫と暮らしてきたからこそ分かる、猫のかわいい瞬間や仕草。
その一瞬を捉えることを、猫写真家としてこれからも大切にしていきたいと思っています。

 

保定のプロ・村生信義さんの取材撮影


もうひとつの撮影は、猫の保定のコツ特集でした。保定とは、猫に無理な負担をかけず、安全に体を支える技術のこと。
その保定のプロとして知られる「村尾信義」さんを招いての特集取材でした。

爪切りや歯磨き、投薬やブラッシング。キャリーへの入れ方など、猫ちゃんに無理をさせない技を目の前でたくさん見せていただきました。

撮影しながらではありますが、丁寧に説明もしていただき、めちゃくちゃ勉強になりました。

猫ちゃんを抑え込むのではなく、あくまで猫ちゃんファーストでの考え方で、それは撮影にも通ずるものがありました。

保定は人が安全にお世話できるようにする技でもあります。
でも教わったのは、猫を無理やりコントロールしようとするのではなく、猫の行動を理解して寄り添うものでした。

カメラマンとして現場に立ちながらも、今回の取材では学ぶことがたくさんありました。

猫の扱い方、猫への声のかけ方、そして距離の取り方。
猫と関わるプロの現場は、いつも勉強になります。

撮影という仕事を通して、猫のことをもっと理解していきたい。
改めてそう思った一日でした。