僕の仕事としての撮影は主にデジタルがメインですが、裏の顔はフィルムを愛するカメラマンです。

フィルムカメラでの撮影はコロナ禍で気持ちに余裕がないのか、少しペースは落ちていますが、ミラーレス一眼にオールドレンズを付けて撮影する時間は増えました。
上記は極端な作例ですが、やっぱりオールドレンズの描写好きだなぁと。

はい、そのオールドレンズ。「それはなんぞや?」と。

早速ですが、今回はオールドレンズについて。そして、その魅力をご紹介いたします。

【目次】

◇ オールドレンズとは?
◇ オールドレンズの魅力とは?
◇ ミラーレス一眼+オールドレンズの撮り比べ
・ PENTAX Super Takumar 55mm f1.8
・ HELIOS-44-2 58mm F2
・ CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJ
◇ まとめ

 

そもそもオールドレンズとは?

ちょっとオシャレな言い方をしているだけで、要するにフィルムカメラのレンズのことです。
フィルム一眼などにつけていたレンズを、デジタル(ミラーレス一眼)でも使えちゃうんですね。両親が昔使っていたフィルムカメラがあれば、そのレンズ使えちゃうんですね。

ウチの両親はカメラを持ってなかったので、僕は自分で買い揃えましたが。

条件は簡単。ミラーレス一眼にマウントアダプターを付ければ、オールドレンズを使っての撮影が可能となります。
マウントアダプターは上記の写真の平べったいやつです。

それをカメラとレンズで挟む形で使用します(カメラ+マウントアダプター+レンズ)。簡単でしょ。
少しややこしいのが、いろんなメーカーがレンズを出していた為、それに(マウントに)対応したアダプターが必須となります。
ニコンのFマウント専用のマウントアダプターには、他社のレンズを付けることは出来ません。
*メーカーに対応したマウントアダプターはおそらく全種類発売されているので、ほぼどのレンズも使うことが可能です。

ちなみに、マウントというのはカメラとレンズの接合部のことです。メーカーによって、その接合部の形が違うってことですね。
「我が社のカメラには我が社のレンズを!」ってことですが、そこで競わないでペットボトルの蓋みたいに統一していたら良かったのにな。その方がレンズ自体の販売台数は伸びていそうなのに。

はい、話が逸れましたが、いろんなメーカーのレンズを揃えると、その数だけマウントアダプターも必要となるということです。
ただ、マウントアダプター自体は2,000円ほどで手に入るので、あまり気にせずお気に入りのレンズを購入しても問題はありませんね。

オールドレンズの魅力とは?

以前「ペット撮影にもいいんですよ!」と書きましたが(コチラ)、ポートレート撮影にもいいんですよね。
いまのデジタルって解像度重視。キレイだけどあえて悪く言うと描写はカリカリなんですね。
それがオールドレンズで撮ると、柔らかくて温かみのある描写になります。

難点はオートフォーカスがきかないこと。だからしっかりと自分でピントを合わせる必要があります。
でもだからこそ、被写体と向かい合うことができるんでよね。

さて。それでは本題。以下、ミラーレス一眼+人気のオールドレンズでの撮り比べです。

3本ご紹介しますので、オールドレンズ購入のご参考に、撮影のご依頼頂ける方は、「このレンズで撮って欲しい!」というのがあれば、お申し込みの際にでも一言いただければと思います。

 

ミラーレス一眼+オールドレンズの撮り比べ

◇ PENTAX Super Takumar 55mm f1.8

オールドレンズといえばこれ。というくらい人気のレンズ。
1万円前後で手に入れることが出来るので、はじめての方にもおすすめしています。

魅力は品質がいまいちな部分(笑)。通称アトムレンズと言われているのですが、放射性物質を使用した光学ガラスで、実際に人体への影響こそありませんが、レンズが黄変しやすい問題があります。

このレンズの一番の特徴はやっぱり虹色のゴースト(フレア)ですね。
オールドレンズは逆光での撮影時にゴーストが出やすいのですが、「PENTAX Super Takumar 55mm f1.8」は虹色の輪っかが浮かび上がります。

*フレアというのは、レンズやボディのなかで光が反射して、ぼやけたり不必要な光の像が現れる現象のことで、特に虹色の輪っかや楕円の光をゴーストと呼びます

今の高性能レンズってこのゴーストが出にくい構造になっています。でも、この虹色輪っかステキじゃないですか?
だからついつい逆光で撮りたくなるんですよね。

オールドレンズって当時不得意だった部分が、いまの魅力(味)になっているんですね。
だけど、侮るなかれしっかりも撮れちゃいます。

1万円前後で購入が出来て、絞りの解放はF1.8です。これ1本でも充分活躍してくれますよ。

もちろん、ポートレートだけではなく日常を撮るのにもオススメ。
そして、ついつい、被写体を虹の輪っかに閉じ込めたくなっちゃうレンズなんですよね。

ただ、ボケ味やゴーストでやや画面がうるさくなりがちなので、背景がスッキリしている場所が良いかな。

 

◇ HELIOS-44-2 58mm F2

ヘリオスも人気のオールドレンズですね。「Super Takumar 55mm F1.8」と同じく安く手に入れることが出来ます。
個人的にはフィルムの描写に一番近いかなと。

特徴はぐるぐるのボケ。背景の玉ボケが回転していますよね。
これは好き嫌い分かれるかもしれませんが、オールドレンズらしさ、ですね。

編集なしでも、雰囲気が抜群なんですよね。そして、適度なピントの甘さも好きだったりします。
鮮やかさは控えめかな。ノスタルジックよりな編集するとハマります。

「Super Takumar 55mm F1.8」同様で、ゴーストも盛大。

また、白いモヤッとが出ていますが、おそらくレンズのくもり。逆光で撮影すると現れます。

これは保存状態の悪かったものを僕が購入してしまっただけですが、調べて見ると同じ症状の方もいたので、「HELIOS-44-2 58mm F2」はくもりやすいレンズかもしれませんね。

「Super Takumar 55mm F1.8」はレンズが黄変しましたが、「HELIOS-44-2 58mm F2」は白いモヤモヤ。

まー個人的にはこれがある意味、幻想的で魅力的なんだけど(笑)、完璧を求める方にはオススメしにくいですね。
そもそも完璧がいい方にはオールドレンズは不向きかもしれませんが。

オールドレンズは絞り開放で撮るほど特徴が出やすいので、僕はガンガン開放で撮っています。

鮮やかさは控えめと書きましたが、PhotoshopやLightroomの編集でどうとでもなるっちゃなりますよね(笑)。
逆に元が薄いほど編集はしやすいという点もあります。

鮮やかに撮れるレンズは魅力的かもしれませんが、ボケ味や解像度、ゴースト、単純になんとなく好きだという作例からレンズ選びするのも一つですね。

 

もちろんポートレートに限らず。いろんな日常のシーンでも使って頂けるレンズですよ。
絞り開放はF2ですが、F1.8と大きな差は感じません。

 

 

◇ CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJ

僕をオールドレンズの沼にハメたのは、この「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」です!
銘玉や神レンズとも言われていますね。カールツァイスのレンズの中では最もメジャーなレンズ。

まずはこの高い解像度と、とろけるようなボケに魅了されます。

表現が難しいですが、嫌味のないボケが魅力の一つです。50mmの開放F1.4ですからね。かなりボケてくれます。

そして、やや強めのコントラストに、色の乗りの良さも特徴です。
先ほど、「ヘリオスのレンズは色が薄いから編集しちゃえばいい!」と書きましたが、鮮やかに撮りたいなら「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」を使いますし、やっぱりそのレンズが持つポテンシャルは大切です。

明るめに撮るとふわっとするし、少し暗く撮ると鮮やかだし、編集でも化けるし、いろんな顔をもっていますね。

だから、ポートレートとしてではなく花を撮るのもオススメですね。

明暗差がある場所での、この深みは「Super Takumar 55mm F1.8」や「HELIOS-44-2 58mm F2」ではなかなか出せないですね。
とにかく撮るものが立体的になります。

オールドレンズは癖のあるレンズが多いのですが、このレンズはゴーストなども控えめ。
現代のレンズに劣らない、高性能なレンズなんですよね。

価格に関しては少しお高めで、5〜8万円くらい。 もともとオールドレンズは古いレンズなので、状態によって価格がかなり変動します。
そして、いまはオールドレンズの価値が上がってきているので、購入するのなら早め早めがいいですね。

この数年で倍くらいになったレンズやフィルムカメラはたくさんありますから。

ちなみに、僕は「Sony α7Ⅲ」にはSonyEマウントのミラーレス専用のレンズを、「Sony α7」でオールドレンズを楽しんでいますが、基本的にはこの「CONTAX Planar T* 50mm F1.4」を付けています。

ご家族やペットの撮影はたくさんしていますが、女性一人(モデルさん)をほぼ撮らないので、娘の写真オンパレードでオールドレンズの魅力をご紹介しました。

かなりモデル慣れはしている娘だと思いますが、ザ・ポージング的なのはあまりさせていません。
過去に有名なモデルさんを撮ったことがありますが、ポーズも自然でかわいいんですよね。「さー撮りなさい!」って、キメてない。
だけど、しっかりと絵になっている。

オールドレンズって自然である程いいです。ザ・ポージングを撮るならオールドレンズじゃなくていい。
オールドレンズで撮るのは、雑誌の表紙じゃなく思い出のアルバム、だと。

それにしても、今回こうやって違うレンズで並べてみましたが、「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」は別次元なくらいキレイです。
実際に撮ってみるとより分かりますね。

そしてポートレートに慣れすぎた娘。肩をチラ見せしてきたので、怒りました。撮ったあとでだけど(笑)。
まったく、どこで覚えてくるのやら。

それでは、「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」について最後に一言。

あー、やっぱり君が大好きだーー!!

 

 

 

まとめ

CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJで撮影

という訳で、オールドレンズを3点ご紹介しました。どれもオススメです。焦点距離が標準の50mm付近なので使いやすいし、しっかりとボケます。

僕がこれまでに使ったことのあるレンズが30〜40種類。
コラム連載の仕事でお借りしたものがほとんどですが、その中でとりあえず持っていようと思ったのが、「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」と「Super Takumar 55mm F1.8」です。

7〜10万円くらいする「OLYMPUS ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2」は、高くってまだ購入出来ていません。
仕事で使う用のレンズを先に購入しちゃうんですよね。

「CONTAX  Planar T* 50mm F1.4」は、はじめて使った時から今までずっと好きなので、飽きることはないオールドレンズです。
ゴーストを楽しみたいのなら、「Super Takumar 55mm F1.8」「HELIOS-44-2 58mm F2」がいいですね。

「Super Takumar 55mm F1.8」はたまに使いたくなるし、「HELIOS-44-2 58mm F2」は久しぶりに使ってみて、また魅力を感じました。

もちろん他にもいいレンズはたくさんあります。ポートレート縛りなら中望遠の「Canon NEW FD 85mm F1.2 L」の描写も好きだし。いろいろ撮りたいなら標準レンズがオススメだし。
まー、オールドレンズは沼ですね。

趣味としてオールドレンズをめっちゃ使っていますが、家族撮影などでも『別の一味』として使っていこうと思っています。

 

【参考】これまでに使用したオールドレンズ一覧

・OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8
・OLYMPUS OM-SYSTEM S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4
・OLYMPUS ZUIKO AUTO-W 35mm F2
・OLYMPUS G.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4
・OLYMPUS F.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8
・OLYMPUS ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2

・CONTAX Carl Zeiss Distagon T* 25mm F2.8
・CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4
・CONTAX Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4
・CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 135mm F2.8
・CONTAX Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 G
・CONTAX Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8 G
・CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 90mm F2.8 G
・Carl Zeiss JENA electric MC FLEKTOGON 35mm F2.4
・Carl Zeiss JENA electric Pancolar 50mm F1.8
・Planar T* 80mm F2.8(Hasselblad)
・MakroPlanar CF 120mm F4 T*(Hasselblad)

・PENTAX Super takumar 50mm f1.4
・PENTAX Super takumar 55mm f1.8
・PENTAX SMC Takumar 35mm F2
・PENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5

・Nikon NIKKOR 28mm F2.8
・Nikon New NIKKOR 55mm F1.2
・Nikon Ai NIKKOR 50mm F1.8
・Nikon NIKKOR-S 5cm F2
・Nikkor-H 5cm F3.5(BRONICA)
・Nikkor-P 75mm F2.8(BRONICA)

・MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]
・MINOLTA AF 20mm F2.8
・MINOLTA AF 85mm F1.4

・FUJIFILM FUJINON 55mm F2.2
・Zenitar MC M 16mm f2.8 Fish-eye
・HELIOS-44-2 58mm F2
・Canon NEW FD 50mm F1.4 
・Canon NEW FD 85mm F1.2 L
・Leica Elmar 5cm F3.5
・Leica SUMMICRON-M 5cm F2